訴訟法における鑑定 〔訴訟・鑑定・テレビ〕

刑事訴訟法上は、訴訟の第三者が、その特別の知識経験に基づく訴訟中の実験事実の判断を、裁判所に対して陳述すること。

科学的法則自体を裁判所に対して報告し、または特別の知識により調査して事実から科学的法則に照らして導き出した判断を裁判所に対して陳述するなどは、みな鑑定である。

判例も、鑑定は、裁判所が裁判上必要な実験則などに関する知識経験の不足を補給する目的で、その指示する事項につき第三者をして新たに調査をなさしめて、法則そのものまたはこれを適用して得た具体的事実判断等を報告せしめるものである、としている。

人類の知識経験は人類の共有すべき資産であり、他人の発見した自然法則もその人の示教または著書などにより、これを自己の知識とすることができる。

鑑定人が鑑定事項の調査を行うに際し、特別な知識経験を要する場合、かならずしも鑑定人自身が自ら直接経験により体得したもののみに限定すべきいわれはない。

鑑定人は他人の著書等によると、その他いかなる方法によるとを問わず、必要な知識を会得したうえ、これを利用して鑑定をなすになんらの妨げもない(最高裁判所判例昭和28年2月19日・刑集7巻305頁)としている。

したがって、特別の知識によって知ることのできたものでも、過去の事実に関するものは証言であって、鑑定ではない(刑事訴訟法174条)。問題となるのは、必要的鑑定の有無である。

たとえば、犯行当時の被告人の精神状態に関して根拠の疑いのある場合、専門家の鑑定を経ないで裁判官が安易に精神状態に関する判定を下すときは、経験則違反として違法の裁判となることもありうる。

ただし、裁判所は鑑定の結果に拘束されない。鑑定の結果も自由心証主義に服する。

民事訴訟法上は裁判官の判断能力を補充するために学識経験のある第三者の意見を求めることを目的とする証拠調べをいう。
update:2010年01月31日